2025年8月、老舗食品メーカー・ミツカンがSNSで異例の謝罪を発表しました。きっかけは、たった一枚の「冷やし中華」の写真。
…え、そんなことで?と首をかしげた方も多いはずです。筆者も完全にその一人です。
今回の記事では、ミツカン炎上の経緯と背景を整理しつつ、なぜ筆者が「これは炎上ではなく、謝罪する必要もなかった」と考えるのかを熱量高めに語ります!!
ミツカン炎上のきっかけは「これだけでも十分美味しい」投稿
8月13日、ミツカン公式X(旧Twitter)が投稿したのは、冷やし中華のシンプルなレシピ。
中華麺を茹でて、同社の冷やし中華つゆをかけただけ。キャッチコピーはこうです。
「冷やし中華なんてこれだけでも十分美味しい」
写真には、具材も薬味もなし。ただつゆと麺だけの、驚くほどシンプルな一皿。
これを見た瞬間、筆者は「おお、潔い!これはこれでアリだな」と思いました。忙しい日や食欲がない時、こういう簡単なご飯は救いになります。
批判の声が想像以上に大きくなった理由
ところが、この投稿に対して一部からこんな批判が。
- 「女性蔑視だ」
- 「栄養や彩りを考えて料理している人を馬鹿にしている」
- 「主婦層への当てつけか」
…いやいやいや。冷やし中華のシンプルレシピがどうして女性蔑視になるのか、本気で理解できません。筆者の目には、ただの「手軽メニュー紹介」にしか見えませんでした。
背景にあった「そうめん論争」
では、なぜこんな小さな投稿が炎上にまで発展したのか。その答えは、ちょうどその頃SNS上で盛り上がっていた「そうめん論争」にあります。
そうめん論争とは
簡単にいうと、
- A派(簡単派):そうめんはラクで最高
- B派(大変派):家族の分まで作るのは大変、手抜きと言われたくない
という対立構造がありました。
この論争でピリピリしていた空気の中、ミツカンの「これだけで十分美味しい」という投稿が「B派」に引っかかってしまったわけです。
つまり、投稿そのものに問題があったというより、時期と空気が悪かったという話です。
ミツカン炎上「怖すぎるB派のリプ」
筆者の疑問:「これ本当に炎上ですか?」
正直、筆者からすればこれは「炎上」ではなく「ちょっとした賛否両論」にすぎません。
擁護の声も多数
実際、ネット上にはこんな声も多くありました。
- 「何が悪いのか全然わからない」
- 「あの投稿見てつゆ買いに行った」
- 「冷やし中華はシンプルが一番!」
つまり、批判と同じくらい擁護もあったわけです。
これを「炎上」と大げさに呼ぶのは、あまりに過敏すぎると感じます。
謝罪対応が残した違和感
批判を受けてミツカンは8月15日に公式謝罪文を発表し、投稿を削除しました。
内容は「暑い日に手軽にご飯を楽しんでほしいという思いだった」と説明するもの。
しかし、筆者はこの対応に大きな違和感を覚えました。
なぜなら、この謝罪はクレーマーに成功体験を与えてしまったと感じるからです。
謝罪が生む負の連鎖
今回の件は明らかに誤解や過剰反応によるもので、差別意図や悪意は皆無でした。
それなのに即削除&謝罪をしてしまえば、「声を大きくすれば企業は動く」という前例を作ってしまいます。
これは今後、他の企業にも悪影響を与える可能性があります。
「ちょっと気に入らない投稿を見つけたら、炎上させればいい」という風潮は、健全な議論ではなく、SNSを委縮させるだけです。
企業SNS運用で学ぶべきこと
今回の件から企業が学べる教訓は、以下の通りです。
- タイミングと文脈を読む力:世間の空気に合わせる
- 謝罪の線引き:必要な場合とそうでない場合を見極める
- 発信の軸をブレさせない:本来の目的を守る
特に2つ目は重要です。今回のように明らかな悪意がない場合、安易な謝罪はブランドの信頼を守るどころか、逆に損なうことになりかねません。
まとめ:炎上ではなく「過剰反応」だった
ミツカンの冷やし中華投稿は、内容的には何ら問題のないシンプルレシピでした。
それが偶然「そうめん論争」の真っ只中で出てしまったことで、過剰反応を招いた。それだけの話です。
筆者としては、この程度で炎上と騒ぐ風潮そのものに疑問を感じます。
そして、謝罪によって一部の声の大きい批判者を満足させてしまったことに強い違和感があります。
SNSは誰もが発信できる便利な場ですが、同時に「過剰反応の連鎖」が起こりやすい場所でもあります。
本当に守るべきは、声の大きさではなく、発信の誠実さと目的ではないでしょうか。
――ミツカン、あなたは悪くない。筆者はそう思っています。
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